『恋人たち』が好きな映画のスタンダード
いつからだろう。
「恋人たち」という言葉がモノ悲しく響くようになったのは、
ちょっと前までは違った気がする。
恋人、とはワクワクしたり羨ましかったりするものだった。
だった。
夫でも彼女でもなく恋人。
うん、悲しげ。
『恋人たち』は、そんな少しゾクッと寒くなるような言葉の印象、そのままの映画だ。
映画『恋人たち』公式サイト | 2015年11月14日(土)公開
別に恋の軌跡が描かれるわけではない。
ただ、3人の、恋(人)を題材にして、
見ててむず痒くなるほどのリアルさで、
下手くそな生き方が描かれているだけ。
素人から(?)選ばれたという主人公3名が演じる3者は
2時間ちょっとを全く忘れさせる現実感で、没頭させてくれる。
こういう、
弱く醜くすぐに負けるどうしようもない人間が、
他の人から見たら下らないなと思える日常の中で、
少しでも前を向こうとする、
暗暗暗でほんのちょっと明(もしくはやっぱり暗)
みたいな映画が好きだ。
FacebookとかInstagramの投稿とは違ってここには実感が伴うリアルさがある。
そして虚構でも現実味のあるクソみたいな人間が、少しでもよく生きようともがくのを観れば、
実際にどうしようもない自分が、
そう簡単に変わらないと知りながらもかんばろうとするのを、許せる。
いい映画!
★★★☆☆
登場人物に結構いいひとが多くて、
そこが救いでもあり、暗を和らげてしまってもいた。
最後にじぶんの会社が出たから、東京すげえ