キャパンのネゴト

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戦国時代から学ぶためのオススメ本メモ(前編)

インプットな気分になってからというもの、読書が止まらない。この前まで積まれていた本が刷新されて再びタワーを作っている。

なかでも、完全にマイブームとなっている戦国時代の歴史小説は進みが早い。

ここで一呼吸置いて、メモがてら残しておく。

 

 

国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)

国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)

 

 全四巻(齋藤道三の前後編、織田信長の前後編)

 

全てはここから。

なんでこの本を手に取ったのかは覚えていない。図書館をぷらぷらしているときに「し」のところで立ち止まって、なにか司馬遼太郎の本でも読むか、となったのだがなぜこれか。大河ドラマで2期連続の戦国時代だからなにかしらひっかかるものがあったのか。

齋藤道三」という、名前は聞いたことあるけどいまいちなにをしたのか認識できていない人物が、めちゃめちゃにかっこよく書かれている。 北条早雲と並んで戦国時代の口火を切った人物である。美濃の道三は、隣国、尾張織田信長にいち早く目を付け、弟子の明智光秀とともにその成長を見守る。道三編での、流浪の身から美濃の城主にまで登り詰めた道三自身の人生の面白さも然ることながら、そこから日本史上最大とも言える謀反である、本能寺の変にどのように影響したのか。明智光秀という人物と織田信長という人物の出生からの関係を知るのに楽しい。

 

 

 

覇王の番人(上) (講談社文庫)

覇王の番人(上) (講談社文庫)

 

 全二巻(上下)

『国取り物語』を読んですっかり明智光秀に興味を抱いて選んだ本。これは光秀と、その配下の細作(忍)の物語が併行して進んで行く。やがて、光秀の人柄に惚れ込んだ細作と光秀により、様々な戦や調略に立ち向かうことが記されている。光秀から見た信長像も興味深い。本能寺の変はなぜ起こったのか、山崎合戦で実は死んでいなかった説まで。細作の存在は、戦国時代の話しの中でまさに影のように離せなく、主従関係などもよくわかっていい。

明智光秀は人間くさくていい。

 

 

 

清須会議

清須会議

 

 映画化もされている(らしい)、三谷幸喜の本だ。その作者から自明な通り、とにかくおもしろい。信長の跡取り息子が、羽柴秀吉が、丹羽長秀が、柴田勝家が、お市が、どんな人物であったのかをわかりやすく描かれている。描くといった表現が適切なように、台本のように場面展開されていくために、読みやすく、それこそまるで映画を観ているように目の前にその情景が浮かび上がる。

とっかかりとして一番おすすめ。ただ、清洲会議の立ち位置の事前確認は必要か。

 

 

 

毛利元就 (光文社時代小説文庫)

毛利元就 (光文社時代小説文庫)

 

 

帰省時に、戦国時代にハマっていると言ったら実家の本棚の奥から引っ張ってきた年季の入った古い本だ。名は馳せていても内実を知らない毛利元就についてその一生がわかる。ほんのわずかな領地の主であった毛利元就が権謀術数の限りを尽くして、その人生をかけて、中国地方一帯を手中に収める過程が書かれる。厳島合戦や「3本の矢」の話しの経緯にも詳しい。

時代はたぶん一世代分違えど、伊達政宗と同じような立ち位置か。十分な能力と権勢を保持しながらも、信長、秀吉の勢いの前に戦う前から勝負あり。表の表には出てこず終わったものの、地元では圧倒的な人気を誇る絶対的な武将。

あとがきにもあったが、この手の小説は処世術を学ぶためにある。

その意味で含蓄に富んだ本であった。

 

 

読み終わってしばらく経つ本でも意外と鮮明に覚えているものだ。それはきっと激烈な生き方が自分の中に残留していくからだろう。

 

魅力ある人間の一生を書こうとすると一冊では収まりきらないらしい。ましてや周りのクセの強い人物もともに描こうとしたらなおさらだ。だいたい2巻以上に渡ることが多い。

ここでもそれにならって前後半にわける。

つづく