原点である大河ドラマ『新選組!』とその続編『土方歳三 最期の一日』
小学5年生の時にこのドラマを観たのが、いろんな意味で私の原点と、断言できる。
とにかく刺激的だった。
近藤勇をはじめ多摩からの仲間には、幼い頃から変わらない信条があった。そして浪士組になって加わった仲間もそれぞれ信じる道があって、生涯、それを貫き通した。
そのためには人を殺すことも、逆に呆気なく死んでいくこともあった。
そんな生き方が11歳の私にはとにかく衝撃だった。
感動した。感動して、憧れた。
でもそれと同時に、
自分にも黒船を目撃したような劇的な出来事が訪れるのだろうか、
そんな出来事が起こった時に逃げずに立ち向かえるのか、
いや、そもそも自分に信条なんてあるのか、ないならいつかできるものなのか。
それは貫くに値するものか、こんなかっこいい生き方ができるのか。
そんな漠然とした不安も抱えることになった。
もう1つ。
完璧に三谷さんの影響であるが、この作品で歴史のおもしろさを教わった。
こんなにおもしろく情熱的に生きて死んだひとたちがいるという事実は、まだ人の一生を見届けることのなかった自分にとって非常に興味深いものであったのだ。
佐幕派だけでなく倒幕派、その枠組みから外れた思考を持つもの、時代が飛んで戦国で生きたひと、平安で生きたひとはどうだったのか。
広がった関心は、いまでも留まることはない。
新選組隊員の「誠」の旗本に生き抜く強さをみて刺激を受け、いまでも、自分も自分の旗を掲げひたすらに貫きたいと憧れ、
一方では、その「旗」は何なのか、また本当に堂々と掲げて降ろすことなく死ねるのかという漠然とした不安を抱える。
『大河ドラマ「新選組!」 土方歳三 最期の一日』はそんな原点を思い出させてくれる作品だった。