『大人が作る秘密基地』を読む / 本当は、いくらでも可能性はあるんだ
これは「買い」な本である!!
大人が作る秘密基地 屋外、ツリーハウス、リノベーション、シェアオフィスまで
- 作者: 影山裕樹,竹田嘉文
- 出版社/メーカー: DU BOOKS
- 発売日: 2014/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まず、文章に良い言い回しがいくつかあったのでそれをメモする。
「はじめに」の部分より
誰しも小さな頃、部屋の片隅に自分だけの空間を作って遊んだ記憶があるはずです。
・・・
本書では、子どもの頃の思い出を捨てきれずに、大人になっても秘密基地を作り続けている人たちを取り上げています。そして、社会の中で秘密基地的な場所を作ることの困難さや、法律や規制をかわしながら、「自分が満足する空間」をいかに作るかの考察も行っています。
「自分が満足する空間」
をできるだけ広い範囲で実現させること。
できれば分かち合えること。
さらに言えば一部で認めてもらうこと。
エゴだけでなく、自分は間違えていなかったと認識すること。
ただその思いだけをこどもの頃からずっと持っているなあと思う。
他にも
秘密基地は生きる力
生きるための力は二種類あると思います。内からわき上がる力と、外から押さえつけ力。私たちは、この二つの力が拮抗している社会に生きています。しかし、外から押さえつける力は「殺す力」にもなります。私は、自己を規定し、自由を押し殺す力よりも、内からわき上がる「生きる力」がかつ瞬間を、見てみたいと思います。
教職を取るために大学で講義を受けていたとき、
学習要領かなにかで「生きる力」の文言が頻繁に出ていた。
それがモヤっとしていてイラッとしたから、
「生きる力」とはなんなのか、それを自分なりに考えたりもしていた。
「力」というくらいだから、度合いが存在しなくちゃならない。
息して飯食ってウンチして寝るのは、ただの「生きる」。
だから「自分らしさ」(あるいはその意識)は必要だろう。
でもそれだけでは生活できない。ただの自分勝手なやつだ。
つまり「稼ぎ」も必要だ。だから「自分らしく稼ぐ力」か!なんて風に。
この「内からわき上がる力」の言い方はいい。
これが勝つときは、表現し認められたときということだから、
稼げなくてもいいんだな、それで生活できれば。なるほど。
文章の他にも、
数々に紹介される「秘密基地」の例が楽しかった。
むうじん館
何もない埼玉の空き地にザ・秘密基地を作っている。
ツリーハウスとか、かまくらを支える木組みとか。楽しそう。
こすみ図書
お茶やを借りて改装して住んで、土日だけ図書館にする。
これならシンプルでいい。
この、前の店の看板をそのままで、中身は違うって、いい裏切り。
貸はらっぱ音地
こちらはもっと大胆だ。
はらっぱをそのまま貸し出す仕組み。
もう自由、自由、自由。
いっそのこと、こんな場所ばかりだとしたら、ワクワクする。
この本のアイデアはおもしろくて、しかも実現可能だ。
「自分が満足する空間」の妄想を深化させる。
ワクワクを止めないために、イメージを具体化するために、手元にほしい本。
ちなみに、一番いいアイデアはこれだ。