キャパンのネゴト

うまく働けない欠陥労働者が日々考えることと目指すもの

死んでもいないし虫歯でもない

 

今の職場も前の職場と同じく、ビルの11階にオフィスがある。

以前と違うのは喫煙所としてベランダがあることだ。

タバコは吸わないけれどそこのベランダによく行く。

 

むかしから、ただ外にいるのが好きだった。

かけっことかではなくただただ外の空間にいること。

青空教室でよかったし、休み時間は大体ベランダにいた。

 

 

その喫煙所兼用のベランダからの景色は、都会の景色だ。

丸いビルになぜか常に湯気が出てるビル、工事現場、少しの空と、遠くにかすかな富士山。

ベランダの塀はそれほど高くなく、下を覗くことができる。

小さな公園で遊ぶ子供と見守る大人、道路を足早に駆ける会社員ぽい人々。

 

いつも大体こんな感じで、そういうのを見ながら塀から飛び降りることを考える。

なん秒くらいかかるのかな、最後は頭が下になるのかな、ゴッパアアンとかなるのかな、そういえば飛び降り自殺の世界を書いたマンガあったな、意外とおもしろいよな、てか死ぬって簡単だな、笑って落ちれるかな、いや無理か、まだ死にたくないわ、やりたいことたくさんだ、あれ、いま生きてるんか、ラッキー、

 

顔を上げたら都会の景色が美しい、

なんてことはないけど、少なくともビルの11階から飛び降りるよりは、ほとんどのことはマシと気が付く。

 

 

いま虫歯があったら、それはもうテンションだだ下がり。この世の終わりのような心境になる。

インフルなら会社を休めるかもしれないが、タチの悪い風邪なら苦しみながら働くかもしれない。

便秘もいやだ。花粉症も辛い。身内に不幸があれば気が休まらないし、失恋も気が気じゃない。

 

でもきょうはとりあえずそんなことはない。

まだマシだし、まだまだマシ度は上げられる気がする。

 

 

一度下りてみて、そこから見上げる。クセがある。