せっかく東京にいるから「鋸山日本寺」に行ってみたら、想像よりも観光要素に溢れていた。
鋸山とは、房総半島に位置する、山であり寺であるという由緒正しき場所である。
千葉県の絶景スポットとしてずっと気になっていたが、なんだか遠いイメージがあって半年間ほど行く行かないを繰り返し、なにかと理由をつけては躊躇していた。
(また来たジレンマ)
だが実際は、アクセス、現地交通、絶景、ハイキング、宗教性、冒険感、フォトジェニック、所要時間の点で、結構いい線いっている観光地であったので、以下に順を追って紹介したい。
東京駅から、総武線快速で千葉方面へ行き、
千葉か蘇我か君津で内房線に乗り換え、浜金谷駅で降りる。所要2時間くらい。
神奈川からは東京湾を横断するフェリーも出ているらしい。
千葉くらいまでは混んでいるが、そこは下り線。徐々に人が減って窓の外には田園風景。内房線に入ってからは海の景色も広がりじわり旅情を感じられる。
浜金谷の駅に到着したら、目の前の道をまっすぐ。看板に沿って10分くらい歩くとロープウェー乗り場が見つかる。
ロープウェーは片道500円、往復930円。
登山道もあり、ハイキングを楽しみながら登ることもできる。
今回は、行きはロープウェーで、帰りはハイキングで下った。
シーズンは10分おきの運行だから時間に縛られることなく利用可能。
料金もそこそこだし、利便性は高いといえる。
ロープウェーを降りると鋸山の頂上は目と鼻の先。くそラク。
頂上からは、東京湾!房総半島!そして富士山・・・!?
300mくらいの山なのに絶景が広がる。
東京湾も、上から観るとキレイ。
この先は日本寺への参拝料を払って進む。
どうやら、鋸山(正式名称:乾坤山)は全体が日本寺の所領らしい。
エリアに至る山道には必ず関所が置かれていて、無断では入れないようになっていた。徹底ぶりよ。
参拝料は600円。
階段の昇降や山道のハイキングなど、ロープウェー組にはここからの行程が結構キツくなってくる。
まるで遺跡。遺跡みたいなものなんだけど。(もと石切り場)
インディアナジョーンズの気分。この後もいいのだけど、個人的にはこの道がハイライト。
抜けるとお目当ての一つ、百尺観音が!
この写真を撮るおれとの比較
大きさも技術も見上げたものだが、一つ残念なのが昭和41年の完成ということ。
結構さいきんのはなしだ。
この百尺観音から更に上がったところに、この鋸山を最も有名にしている「地獄のぞき」がある。
なんともおっかないところだ。
しかしここ、実際はおもったよりも尖ってないし、別に先端に行ってもコワいことはない。
おまけに景色も、頂上の展望台(最初の写真)の方がいい。(これ系は、屋久島の太鼓岩が最高だった。)
話題としてはいいかもしれないが、鋸山の魅力はこれには決して限らない。
この辺の岩の表面には石切りの跡(とおもわれる)が見れる。生々しい削り跡だ。
ここからはズンズンと下っていく。
もと石切り場に整備されたコンクリートたちは一体どこから来たのだろうと悶々としながら、足と腰をかばいながら、下る。
下る道中は羅漢たちが楽しませてくれる。
欧米人も多くみかけた。センスいいね。
千五百羅漢道を抜けると、今度は親分の大仏がお出迎え。
こちらは1783年に建てられたそうで。なんか山の中にひっそり座ってらっしゃるのは好感が持てた。
バカの一つ覚えみたいに鎌倉の大仏に行くくらいなら、こちらも選択肢に入れるべきではないか・・・とまでおもうほどに。
これからもお見守りください。
見所はいったん、ここまで。
後はロープウェー乗り場に戻るもよし、下山するもよしということで、
運動がてら表参道と云う名のひっそりとした裏道を下って、浜金谷駅の隣、保田駅まで歩いた。およそ1時間くらい。
見覚えのある駅舎を発見。
なぜ同じ仕様。
アクセスの注意点は、内房線が1時間に1本くらいしかないこと。趣のある駅で過ごすのが好きな人はノープロブレム。
特急さざなみも通っているので早く帰りたければ使える。
帰路は絶景と参拝とそして疲労感でお腹いっぱいだから、寝るだけ。
10時に東京を出て18時くらいに帰着。1デイトリップにちょうどいい。
鋸山、もっと有名になってもいいとおもう。