世界のニュースまとめ(20200718-0725)
福岡オフィス市況、変化の兆し コロナで退去や値下げ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61662270X10C20A7LX0000/
福岡市のオフィス市況が転換点を迎えている。オフィス仲介大手の三幸エステート(東京・中央)によると、6月末のオフィスビルの空室率は前月比0.26ポイント上昇の2.36%となった。上昇(空室が増える)は3カ月連続。新型コロナウイルスの感染防止で在宅勤務が広がり、オフィス縮小などの動きが出ている。今後の供給増もあり、空室率がさらに上昇する可能性がある。
地場不動産仲介業者の間で、博多駅近くのビルの解約通知が話題となっている。ある企業が約1155平方メートル(350坪)を貸会議場として使っていたが、コロナによるイベント自粛の影響で10月中の退去を通知した。
福岡市内の空室率はオフィス需要の好不調の境である5%を下回る低水準が続いている、
福岡県の地銀幹部は「取引先でもオフィス用に仕入れた土地をマンションなどに転用する動きが出てきた」と明かす。「天神ビッグバン」など福岡市が主導する再開発の本格化と、コロナ禍やオフィス改革が重なったのは、関係者にとって誤算となった。市内は老朽化したビルも多く、仲介業者からは「同じエリアでも物件によりテナントが埋まるものと空室が増えるものの二極化が鮮明になる」との見方が出ている。
他の中国公館閉鎖「可能性ある」 トランプ氏、書類焼却の可能性示唆
https://mainichi.jp/articles/20200723/k00/00m/030/178000c
トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスでの記者会見で、米政府が21日に南部テキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を要求した問題に言及し、他の在米公館の閉鎖についても「常に可能性がある」と中国をけん制した。ヒューストンの総領事館は知的財産の窃取に関与していたとみられる。中国側も対抗措置を警告しており、米中の対立が報復措置の応酬に発展する様相を呈している。
トランプ氏は会見で、総領事館敷地内で21日夜、火災があったことにも触れ、「彼らは書類を燃やしていたのだろう」と述べ、中国側が機密書類を焼却していた可能性を示唆した。米国側は現地時間24日午後4時までに総領事館の全職員の退去を求めている。
中国政府が関与したとされる知的財産の窃取を巡っては、米司法省が21日、日米英など各国のハイテク企業や政府にサイバー攻撃を仕掛けて大量の情報を盗み取ったとして、中国人2人が企業秘密窃取などの罪で起訴されたと発表している。
米国防長官、年内の初訪中に意欲 中国の海洋進出については批判
https://mainichi.jp/articles/20200722/k00/00m/030/122000c
エスパー米国防長官は21日、英シンクタンク「国際戦略研究所」のオンラインイベントで講演し、年内に中国を訪問したいとの意向を表明した。「共通の関心分野での協力強化や、危機回避のための意思疎通に必要なシステムを構築したい」と説明した。一方で、東シナ海・南シナ海における中国の海洋進出について「国際法に違反し、攻撃的な行動」と批判した。
エスパー氏の訪中が実現すれば、2019年7月の国防長官就任後初めて。
EU首脳会議、7500億ユーロのコロナ基金創設で合意 加盟国支援
https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/030/094000c
欧州連合(EU)の首脳会議は21日未明(日本時間同日午後)、新型コロナウイルス危機で打撃を受けた加盟国を支援する7500億ユーロ(約92兆円)の復興基金を含む次期中期予算案(2021~27年)に合意した。ミシェル欧州理事会常任議長がツイッターで明らかにした。
対立点だった復興基金の配分をめぐる協議は、返済義務のない補助金枠を当初案の5000億ユーロから減額することで妥結した。残りは低利の融資とする。
新型ウイルス流行が沈静化してきたことを踏まえ、首脳会議はブリュッセルで5カ月ぶりに対面形式で行われた。復興基金が最大の焦点となり、財政規律を重視するオランダ、オーストリアなど「倹約4カ国」が、融資を主体とした支援を求めて態度を硬化。17日から2日間の予定だった会期を延長し、夜を徹した交渉が続いていた。
日銀、「デジタル通貨」研究組織を新設 トップに異例の審議役 検討強化アピール
https://mainichi.jp/articles/20200720/k00/00m/020/247000c
日銀は20日、中央銀行によるデジタル通貨発行の課題を探る専門組織「デジタル通貨グループ」を決済機構局に新設した。2月に発足させた研究チームを正式な組織に格上げして体制を強化する。日銀は「デジタル通貨の発行計画はない」との立場だが、中央銀行が発行するデジタル通貨への関心が世界的に強まっており、金融システムや金融政策に与える影響などを調べる。
奥野審議役は日銀の金融政策を担当する政策企画課長などを歴任。中央銀行が発行する通貨がデジタル化された場合に、金融の緩和と引き締めを操作する金融政策にどんな影響が出るのかなどを探る。 政府は17日に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」で中央銀行デジタル通貨について初めて取り上げ、「日銀において技術的な検証を狙いとした実証実験を行うなど、各国と連携しつつ検討を行う」と明記した。中国人民銀行(中央銀行)が「デジタル人民元」の発行準備を進めていることに、政府・与党内では「中国がアジアでデジタル人民元の経済圏を作り、覇権を握ろうとしている」(自民党議員)との警戒感が広がっており、日銀に検討加速を促した格好だ。
国内向けワクチン実用化「早くて年明け」 政府、海外3~4社と交渉 加藤厚労相
https://mainichi.jp/articles/20200720/k00/00m/010/145000c
加藤勝信厚生労働相は20日、新型コロナウイルスのワクチンの確保に向け、政府内に弁護士らで作る交渉チームを設け、海外の製薬会社3~4社と交渉を進めていることを明らかにした。公明党が厚労省に緊急提言を提出した際、党関係者に説明した。
政府は英製薬大手アストラゼネカなどとワクチン確保の交渉を始めている。提言では、欧米諸国と比較して「交渉入りだけでなく、進捗(しんちょく)も遅れている」と指摘。
中国、火星探査機打ち上げ成功 「宇宙強国」めざす
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6188592023072020000000/
中国国営の新華社によると、中国当局は火星探査機の打ち上げに成功した。米国だけが成功した火星での軟着陸と探査を実現することで「宇宙強国」をアピールする。米国も近く火星探査機を打ち上げる予定で、宇宙分野でも米中の覇権争いが激しくなりそうだ。
火星の周辺に到達するには約7カ月かかる見通しで、火星の周りの軌道に入り、着陸機を分離して表面に軟着陸する計画。火星は地球外生命体の痕跡が見つかる可能性がある惑星で、火星表面なども探査する。
火星への探査機の軟着陸と表面の探査は米国しか成功していない。ロシアは旧ソ連時代、火星探査で米国に先行したが失敗が続き、本格的な探査はできなかった。16年には欧州宇宙機関(ESA)の探査機も着陸に失敗しており、中国が成功できるかに注目が集まる。
火星探査を巡っては、アラブ首長国連邦(UAE)が20日に火星探査機を打ち上げたばかり。
「景気後退」認定へ、戦後最長ならず 回復は18年10月まで
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6185830022072020MM8000/
内閣府は2012年12月から始まった景気回復局面が18年10月に終わり、景気後退に入ったと認定する方針だ。拡大期間は71カ月にとどまり、08年2月まで73カ月続いた「いざなみ景気」の戦後最長記録を更新しなかった。期間中の成長率は過去の回復期を下回り実感の乏しい回復となった。
18年10月は米中貿易摩擦の激化で世界経済が減速し、輸出や生産に停滞感が強まり始めた時期にあたる。19年春から夏にかけて内需を中心に持ち直した後、消費税率の引き上げや大型台風でブレーキがかかり、新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけた。
日本の景気回復は02年2月から08年2月まで73カ月続いた「いざなみ景気」が戦後最長だ。
英、FTA優先4カ国と交渉開始 「8割目標」難航
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61497350U0A710C2FF8000/
英政府は13日、ニュージーランドとの自由貿易協定(FTA)交渉を始めた。日本、米国、オーストラリアとともに英国が優先交渉相手と位置づけた4カ国全てで協議入りとなったが、2022年末までにFTAカバー率を貿易額の80%にする目標達成は難航している。
欧州連合(EU)を離脱した英国は、20年末までの移行期間が終了すると、EU域外とのFTAを発効できる。ただ現時点で通商協定が結べたのはEUとの協定を踏襲した韓国やスイスなど貿易額の8%分のみだ。
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は6月中旬、議会証言で11月の大統領選前までの米英FTAの合意は「ほぼ不可能だ」と語った。英メディアによると食品基準緩和を迫る米側に英が抵抗している。優先交渉の4カ国との協議が進まない中、貿易額の47%を占めるEUとのFTA合意も見通せない。